スタンチョン(英語表記)stanchion

翻訳|stanchion

改訂新版 世界大百科事典 「スタンチョン」の意味・わかりやすい解説

スタンチョン
stanchion

牛をつなぎ飼い方式の牛舎で飼育するときに用いる係留具。構造は直径3cmくらいの縦に並べた2本の鉄パイプの上下をそれぞれ湾曲させて組み合わせ,下部の接合部は支点とし,上部の接合部には固定または離開するための開閉装置をつけ,さらに上部および下部が鎖で支柱および床に固定してある。牛の係留時には開閉装置を開き,2本の縦パイプの間に牛の首を入れてから閉鎖する。牛は首の幅が頭骨の幅より狭いため,縦パイプの間隔が適当なばあいは上部を開かないかぎり牛が抜け出ることがない。普通,成牛用としてはパイプのうちのり間隔を18~20cmとしたものが多い。スタンチョンは上部の開閉装置をワンタッチで操作できるため,ロープやチェーン(鎖)などで係留するタイ方式よりも,牛をつなぐときおよび放すときの労力が少なくてすむ利点がある。しかしながら,タイ方式より牛の行動の束縛が大きい欠点がある。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「スタンチョン」の意味・わかりやすい解説

スタンチョン
stanchion

牛を房内につなぐ首かせの一種繋留牛舎は1頭ごとのストール (牛床) を長く連続して設置し,つながれた牛はそこで採食飲水,排泄を行い,搾乳される。牛のつなぎ方には綱か鎖で1支点につなぐ簡単なもののほか,縦つなぎ,横つなぎ,はさみつなぎの3方法がある。はさみつなぎのなかで鉄パイプで牛の首をはさむ方法をスタンチョンと呼び,丸太によるものを開閉格子という。スタンチョンによる繋留は着脱操作が簡単で堅牢であるが価格が高い。

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世界大百科事典(旧版)内のスタンチョンの言及

【ウシ(牛)】より

…独房単飼式は1頭当りの所要面積が大きく,作業労力も多くなるので,種雄ウシや分娩(ぶんべん)ウシの場合にのみ用いられる。乳牛の場合には牛舎の中にスタンチョンと呼ばれる首かせを設置し,1頭ずつつないで管理する方式がもっとも一般的である。追込式は肥育牛や育成牛などで用いられる。…

※「スタンチョン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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