ステビンズ(その他表記)Joel Stebbins

改訂新版 世界大百科事典 「ステビンズ」の意味・わかりやすい解説

ステビンズ
Joel Stebbins
生没年:1878-1966

アメリカの天文学者ネブラスカ州に生まれ,カリフォルニア大学に学ぶ。イリノイ大学を経て1922年以後ウィスコンシン大学教授兼ウォッシュバーン天文台台長,ウィルソン山天文台の客員を兼ねた。一生を通じ光電測光天文学の道具として実用化し技術向上させることにつとめ,つねに指導的な立場にいた。初めセレン抵抗,後に光電管を用い,1910年に初めて変光星アルゴルの第2極小を発見して光電測光の威力を示した。B型星の色指数の光電測光から銀河系内の星間物質の分布を決定したり,球状星団や多数の銀河の測光と測色など,彼およびその門下生の手になる精密なデータは銀河系や宇宙の基礎資料として高く評価されている。また,星の連続スペクトルを表現する6色測光システムの創設などの業績もある。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のステビンズの言及

【銀河系】より

…球状星団でも,とくに銀河系中心に近い方向にあるものについては,かなりの星間吸収が存在するのである。30年,トランプラーR.J.Trumplerが吸収の事実を明らかにし,ステビンズJ.StebbinsとウィットフォードA.E.Whitfordが36年にこれを球状星団の距離決定にも適用した結果,銀河系の大きさは16万光年×13万光年×11万光年に,また太陽の銀河系中心からの距離は3.3万光年と大幅に修正された。なお球状星団の距離決定に使われること座RR星型変光星の絶対等級の値についても,諸種の議論があり,初期のころは0.0等(写真絶対等級)という値が採用されていたのが,80年代初期現在では,0.6等(実視絶対等級)という値が標準値とされている。…

【銀河系】より

…球状星団でも,とくに銀河系中心に近い方向にあるものについては,かなりの星間吸収が存在するのである。30年,トランプラーR.J.Trumplerが吸収の事実を明らかにし,ステビンズJ.StebbinsとウィットフォードA.E.Whitfordが36年にこれを球状星団の距離決定にも適用した結果,銀河系の大きさは16万光年×13万光年×11万光年に,また太陽の銀河系中心からの距離は3.3万光年と大幅に修正された。なお球状星団の距離決定に使われること座RR星型変光星の絶対等級の値についても,諸種の議論があり,初期のころは0.0等(写真絶対等級)という値が採用されていたのが,80年代初期現在では,0.6等(実視絶対等級)という値が標準値とされている。…

※「ステビンズ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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