スデーヌ(読み)すでーぬ(その他表記)Michel Jean Sedaine

日本大百科全書(ニッポニカ) 「スデーヌ」の意味・わかりやすい解説

スデーヌ
すでーぬ
Michel Jean Sedaine
(1719―1797)

フランスの劇作家。いわゆる市民劇(ドラム)を創唱したディドロは自作の芝居では失敗したが、忠実な弟子と目されるスデーヌはその理論にのっとった傑作『そうとは知らぬ哲学者』Le Philosophe sans le savoir(1765)で成功を収めた。当時の悪習と考えられる決闘に反対するのも主題の一つだが、全編が無理のない筋と台詞(せりふ)で貫かれたこの戯曲は、貴族がさげすんだ商業を礼賛し、社会において交易商人が果たす役割を大々的に喧伝(けんでん)している。

[市川慎一]

『斎藤一寛著『フランス思想劇の成立』(1954・早稲田大学出版部)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「スデーヌ」の意味・わかりやすい解説

スデーヌ
Sedaine, Michel-Jean

[生]1719.7.2. パリ
[没]1797.5.18. パリ
フランスの劇作家。石材職人をしていたが,1752年頃から歌謡,ボードビルを書きはじめ,『真の悪魔』 Le Diable à quatre (1756) でオペラ・コミックに転じた。文学史上では,ディドロが提唱した市民劇実践,『知らずして哲学者』 Le Philosophe sans le savoir (65) 一作によって名をとどめる。 86年アカデミー・フランセーズ会員となるが,大革命後,不遇のうちに一生を終る。

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