改訂新版 世界大百科事典 「スプレケリア」の意味・わかりやすい解説
スプレケリア
Jacobean lily
Sprekelia formosissima (L.) Herb.
花の形によりツバメズイセンとも呼ばれるヒガンバナ科の春植球根植物。中央アメリカ(メキシコ,グアテマラ)産で半耐寒性。鉢植え,花壇用に利用されるほか,水栽培もできる。数枚の濃緑色でスイセンの細葉種のような葉を出し,長さ約30cm。初夏のころに,平たい濃赤色の鉛筆大の20~30cmの花茎を出し,通常1花をつける。花は6弁であるが,上3弁と下3弁に分かれ,大型で横径は12cmくらい,真紅で美しい。大球になると次々と3本ぐらい続開するが,1花の開花期間が2~3日と短い。中央アメリカ高地(標高1000~2300m)原産で,温暖で降霜がなくなるころに球根の上部が見えるくらいの深さに植えつける。冬に入り葉が枯れると乾いた場所で越冬させる。繁殖は分球とよく実る種子の採りまきによる。種子から開花までは4年くらいかかる。
執筆者:川畑 寅三郎
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報