日本大百科全書(ニッポニカ) 「スポーツ飲料」の意味・わかりやすい解説
スポーツ飲料
すぽーついんりょう
スポーツなどで汗をかいた際に失われる水分やミネラル分のほか、ビタミン類や糖分などを効率的に補充できるようにつくられた清涼飲料。スポーツドリンクともよばれ、水に溶かして用いる粉末状のものもある。代表的なものに「アイソトニックisotonic(等張性)飲料」があり、これは、体に吸収されやすいようにヒトの体液とほぼ同じ浸透圧を保つように調整された飲料である。含まれる成分としては、水分のほか、電解質(カリウム、ナトリウム、マグネシウム、カルシウムなどのミネラル分)、筋肉の疲労回復を助けるクエン酸やビタミン類、エネルギー源となる糖分(ブドウ糖、ショ糖)などがある。医薬品ではなく食品として扱われ、健康の保持・増進に役だつ成分を含む健康食品として、特定保健用食品(トクホ)などの保健機能食品とともに機能性食品(飲料)に分類される。
スポーツ時以外にも、夏場の熱中症予防や実際に脱水症状に陥った際に飲用することが積極的に勧められている。運動量の少ない状態で多量に飲用すると、含まれる成分の過剰な摂取につながり、健康に悪影響を及ぼす可能性もあるため注意が必要である。
[編集部]