日本大百科全書(ニッポニカ) 「スメル火山」の意味・わかりやすい解説
スメル火山
すめるかざん
Gunung Semeru
インドネシア、ジャワ島東部にある同島の最高峰。標高3676メートル。玄武岩と安山岩の典型的な成層・円錐(えんすい)火山である。同国の代表的活火山で、1818年以降、数十回も噴火している。山頂での爆発型噴火で、溶岩流、火山泥流、火砕流もしばしば発生する。とくに、1967年からはほぼ連続的に噴火し、数十分おきにストロンボリ式噴火(粘性の低い玄武岩質マグマの間欠的爆発による噴火)を反復し、標高は3700メートルを超えたと考えられる。1997年7~11月にはブルカノ式噴火(粘性の高い安山岩質の火山でみられる激しい爆発的な噴火様式)を繰り返した。また2000年4月には火砕流が1.5キロメートル流下し、その後山頂でブルカノ式噴火が何度も観察された。7月には火山付近を調査していた火山研究家が噴火に遭遇し、2名死亡、5名が負傷した。三つの火山観測所がある。
[諏訪 彰]