スレブレニツァ(その他表記)Srebrenica

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「スレブレニツァ」の意味・わかりやすい解説

スレブレニツァ
Srebrenica

ボスニア・ヘルツェゴビナ東部の町。1995年11月ボスニア・ヘルツェゴビナを構成する 2政体のうち,セルビア人支配のセルビア人共和国に組み込まれた。名称はセルボ=クロアチア語で銀を意味する「スレボ」に由来する。近隣の山で銀と鉛の豊かな鉱床が発見されたことから,1387年に鉱業の中心地として町が築かれた。鉛と亜鉛採掘は今日も重要な産業である。ツルニグベルの近くには温泉保養地がある。15世紀には商業と交易の中心地として栄えた。クロアチアドゥブロブニクラグーザ)の商人やドイツの鉱山労働者が住み,1440年にトルコ人に征服されるまではフランシスコ会修道院があった。16世紀半ば,住民の強い抵抗にもかかわらず町の宗教がイスラム教に改宗された。20世紀には人口の大半をムスリムが占めたが,少数派のセルビア人もかなりの数存在した。1990年代にボスニア人(ムスリム)とセルビア人の間でボスニア・ヘルツェゴビナ紛争が勃発すると,国際連合により,ボスニア人を守るための「安全地帯」に指定された。ところが 1995年7月,セルビア人勢力が町を包囲し,7000人以上のボスニア人の男子を組織的に虐殺した(→スレブレニツァの虐殺)。2003年,虐殺犠牲者の記念墓地が建設された。人口 3300(2004推計)。

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