20世紀西洋人名事典 「スヴャトスラフリヒテル」の解説
スヴャトスラフ リヒテル
Svyatoslav Teofilovich Rikhter
1915.3.20 -
ソ連のピアノ奏者。
ジトミル生まれ。
別名Sviatoslav Richter。
20世紀後半を代表する大家の一人。ほとんど独学でピアノ奏法を身につけ、16歳でリストの難曲を弾きこなし、管弦楽の総譜を自由にピアノ演奏することができた。1937年モスクワ音楽院に入学し、名教師ゲンリヒ・ネイガウスに師事。在学中の’40年モスクワでデビューし、プロコフィエフのピアノ・ソナタ第6番を初演し、一大センセーションを巻き起こした。’45年全ソヴィエト音楽コンクールピアノ部門優勝。’50年から東欧諸国に楽旅し、各国で名声を得た。’60年アメリカ・デビューで決定的な成功を収め、’62年以降世界各国で演奏し、世界最高のピアニストと認められた。日本へは’70年万国博の時初来日。演奏技術は卓越したものであるが、技巧派ではなく、豊かで深い表現力と異常な緊張感を伴っているのが特徴。レパートリーは広くとくにバッハ、ベートーベン、シューベルト、シューマン、ラフマニノフを得意とする。’61年ソ連邦人民芸術家。スターリン賞、レーニン賞受賞。
出典 日外アソシエーツ「20世紀西洋人名事典」(1995年刊)20世紀西洋人名事典について 情報