スータン(その他表記)soutane

翻訳|soutane

精選版 日本国語大辞典 「スータン」の意味・読み・例文・類語

スータン

  1. 〘 名詞 〙 ( [フランス語] soutane ) カトリック教会聖職者の日常着。首から足首までの長い外衣で、襟にカラーを付ける。司祭は黒、司教は紫、枢機卿は赤、教皇白色
    1. [初出の実例]「すでに兄の恵介は黒いスータンをつけ、朝の礼拝をすませたところだった」(出典:死んだ時代(1961)〈三好徹〉六)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「スータン」の意味・わかりやすい解説

スータン
soutane

外衣を意味するイタリア語の sottanaに由来するフランス語で,カトリック,聖公会,ギリシア正教などのキリスト教聖職者が日常着用するくるぶしまでの長衣をいう。5~6世紀頃までは聖職者の特別な服はなかったが,ローマ時代の長衣が聖職者用として残存。対抗宗教改革時代にその使用が強調され,スルピス会の影響で神聖視されるにいたり,フランスでは 1852年着用が義務づけられた。現在,特に日本など,布教地では儀式または室内以外ではほとんど用いられない。英米系ではキャソック cassock,ドイツではタラール Talarといい,東方教会ではラソン rasonがこれにあたる。通常は黒色であるが,教皇は白,枢機卿は赤,司教は紫のスータンを着用する。

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