ずる(読み)ズル

デジタル大辞泉 「ずる」の意味・読み・例文・類語

ず・る

[動ラ五(四)]
滑って移動する。また、ゆるんで下がる。「積み荷が少し―・ってしまう」「ズボンが―・ってこまる」
いざり動く。「ひざで―・る」
基準となるところから少しはずれる。
一つぐらいきっと、かんどころが―・った」〈宮本伸子
引きずる。「足を―・って歩く」
[動ラ下二]ずれる」の文語形

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「ずる」の意味・読み・例文・類語

ず・る

  1. [ 1 ] 〘 自動詞 ラ行五(四) 〙
      1. (イ) 物が、ある姿勢や状態を保ったまま、ほかの物に沿って少し移動する。また、そうして本来あるべき位置からはずれる。ずれる。
        1. [初出の実例]「こりゃこりゃやっと首引抜き、一つでは片荷づる、ま一つ二つと追廻せば」(出典:浄瑠璃・仏御前扇車(1722)一)
        2. 「黒い眸は眼尻迄擦(ズッ)て来た」(出典虞美人草(1907)〈夏目漱石〉一五)
      2. (ロ) 膝をついたままで移動する。すり動く。
        1. [初出の実例]「畳の上を膝でずってゐる裾さばきの袘(ふき)の下から」(出典:蓼喰ふ虫(1928‐29)〈谷崎潤一郎〉一)
    1. 基準となるものとのあいだに、一定のへだたりやわずかなくいちがいを生じる。ぴったりと合わなくなる。ずれる。
      1. [初出の実例]「この張り切った音に、彼女の絃は妙にずった音を出してぴったり来ない」(出典:業苦(1928)〈嘉村礒多〉)
  2. [ 2 ] 〘 他動詞 ラ行五(四) 〙 ひきずる。また、こすりつける。
    1. [初出の実例]「後肢をずって後退りしながらも」(出典:死霊‐三章(1946‐48)〈埴谷雄高〉)
  3. [ 3 ] 〘 自動詞 ラ行下二段活用 〙ずれる

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