改訂新版 世界大百科事典 「セネカフォールズ会議」の意味・わかりやすい解説
セネカ・フォールズ会議 (セネカフォールズかいぎ)
Seneca Falls Convention
1848年,アメリカ合衆国ニューヨーク州の田舎町セネカ・フォールズで開かれた最初の女性の権利獲得のための会議。奴隷制廃止論者,禁酒運動家などを含めた男女約300名が参加,アメリカ女性運動の出発点とされる。奴隷制廃止運動のなかで女性としての差別を体験したモットLucretia C.MottとスタントンElizabeth C.Stantonが会議の発案者となった。会議は,スタントンが独立宣言をもじって起草した,〈すべての男女は平等につくられ〉と唱える〈所感の宣言〉と,男女平等を達成するための11の決議案を採択した。これらの決議案のなかで,婦人参政権は過激とみなされ強い反対にあったが,参政権こそ後の女性運動の中心目標となった。ジャクソニアン・デモクラシーの平等化の波のなかで,性による差別を痛感した中産階級の女性たちの不満がセネカ・フォールズで結集され,以後,女性の権利,とくに婦人参政権のための運動という形で組織されたのである。
→婦人参政権運動
執筆者:有賀 夏紀
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