セリミエ-モスクと複合施設群(読み)セリミエモスクとふくごうしせつぐん

世界遺産詳解 の解説

セリミエモスクとふくごうしせつぐん【セリミエ-モスクと複合施設群】

2011年に登録された世界遺産(文化遺産)。オスマン帝国の首都だったエディルネにそびえ立つセリミエ-モスクと4本のミナレットは、帝国の威風を今に伝える。ミナレットは、モスクの建物の外側に建つ細くて高い塔であり、礼拝時刻を告知するためのものである。モスク、ミナレット、周囲を取り囲む屋根つきのマーケット、時計塔、庭園、図書館などの建築物群は、16世紀のオスマン帝国の高名な建築家スィナンの最高傑作とされる。それらの建築物の内装には、16世紀のオスマン帝国時代に頂点に達したとされるイズニック-タイルが使われ、現在でもなお卓越した芸術性と評される美しさを誇っている。イスラム教国においては、モスクとその併設施設がキュッリイェ(複合建築)として建設される例が多いが、そうしたキュッリイェの中で、セリミエ-モスクは、最も調和がとれた作品と評価されており、この一連の複合建築は、現在でもひとつの公共施設として管理されている。◇英名はSelimiye Mosque and its Social Complex

出典 講談社世界遺産詳解について 情報

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