乳がんにおいて、乳房内の原発巣にあるがん細胞がリンパを介して転移する際、最初に到達する腋窩(えきか)付近のリンパ節のこと。センチネルsentinelには「見張り」という意味があり、このセンチネルリンパ節を同定・摘出し、転移の有無を顕微鏡で調べる一連の検査をセンチネルリンパ節生検とよぶ。センチネルリンパ節にがん細胞がみられなければ他のリンパ節にも転移していない可能性が高く、腋窩リンパ節郭清(かくせい)(乳がん手術におけるリンパ節の切除)を省略できる。また微小転移(2ミリメートル以下)の場合も省略可能であるとされる。かつては手術が可能なほぼすべての乳がん患者に腋窩リンパ節郭清が行われてきたが、転移がなければその郭清は不要であったことになり、郭清を省略することによって腕のむくみ(リンパ浮腫(ふしゅ))やしびれなどの後遺症が生じるリスクを下げることができる。
センチネルリンパ節生検の方法は、病変がある乳腺(にゅうせん)に微量の放射性同位元素や色素を注射し、腫瘍(しゅよう)組織に集積する特性を利用して当該リンパ節を発見し、摘出して病理検査・病理診断を行う。最近は放射性同位元素と色素を併用する方法や、色素と赤外線カメラを用いた蛍光法も普及している。
[渡邊清高 2019年10月18日]
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