ゼゼラ(読み)ぜぜら

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ゼゼラ」の意味・わかりやすい解説

ゼゼラ
ぜぜら
[学] Biwia zezera

硬骨魚綱コイ目コイ科に属する淡水魚。日本特産種で、琵琶(びわ)湖淀(よど)川水系と木曽(きそ)川水系に天然分布していたが、現在は北陸地方と関東地方以西の本州九州にも広がっている。全長10センチメートル足らずの小形の底生魚で、ひげをもたない。湖や川の泥底部に生息し、藻類や小形の底生動物などを摂食している。4~7月ごろアシやマコモの根に産卵して、雄がその卵塊を保護する。佃煮(つくだに)の材料になるが、鮮度が落ちやすく、頭もとれやすいのが難点である。

[水野信彦]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ゼゼラ」の意味・わかりやすい解説

ゼゼラ
Biwia zezera

コイ目コイ科。日本に固有の淡水魚。全長5~8cm。体はやや円筒形で,背方は淡黄褐色,腹方は銀白色を帯び,背,背鰭尾鰭に小黒点が散在する。琵琶湖および淀川水系にのみ分布していたが,近年は関東地方や九州にも移殖されて繁殖している。砂泥底にすみ,泥と一緒に有機物を食べる。産卵期は5~7月頃。雑魚として取扱われ,ほとんど利用されていない。

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