日本大百科全書(ニッポニカ) 「ゼーゲル」の意味・わかりやすい解説
ゼーゲル
ぜーげる
Hermann August Seger
(1839―1893)
ドイツの化学者。科学的窯業の父。1868年ロストックで学位を得、ベルギー、イギリス、ハンガリー等への研究旅行を通じて窯業技術の科学化の必要性を痛感した。1874年、粘土の「ゼーゲル分析」とよばれる示性分析法を発表し、1877年『製陶工業新聞』を創刊した。彼の名を有名にしたのは、ゼーゲルコーン(錐(すい))の発明(1886)である。これは、耐火物の軟化点や炉内温度等の高温測定用の温度計の一種で、融解点を利用しただけの単純な方式であるため世界中に広く愛用された。また、ゼーゲル陶器、ゼーゲル実験室用ガス炉などの発明もある。
[矢木哲雄]
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