ゼーゲルコーン(英語表記)Seger cone

デジタル大辞泉 「ゼーゲルコーン」の意味・読み・例文・類語

ゼーゲル‐コーン(Seger cone)

ゼーゲル錐

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改訂新版 世界大百科事典 「ゼーゲルコーン」の意味・わかりやすい解説

ゼーゲルコーン
Seger cone

温度計の一種ゼーゲル錐(すい)ともいう。ドイツ語ではSegerkegel。1886年にドイツのゼーゲルHermann August Seger(1839-93)により考案された三角温度錐である。一定条件で加熱すると,その軟化変形温度が少しずつ異なるように作られた一連の系統的な温度測定錐で,それぞれの軟化変形温度がゼーゲル番号SKによって表されている。日本では1920年から製造されている。窯業製品を焼く場合に,その焼結状態は温度だけでなく,加熱時間や炉内の状況によっても異なるので,その状態を知るのに用いられる。窯業製品の基礎になるのがシリカSiO2とアルミナAl2O3であるから,これにいろいろの成分(酸化カリウム酸化カルシウムなど)を加えて軟化変形温度を種々調整し,SK022(600℃)からSK42(2000℃)まで約20℃相当の間隔で59種の標準錐(SK20まで高さ6cm,それ以上は高さ3.0cm)が図のような形状で作られている。製品の焼成温度測定のほか,原料,製品の耐火度の測定にも用いられる。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ゼーゲルコーン」の意味・わかりやすい解説

ゼーゲルコーン
Seger Kegel; Seger cone

ドイツの H.ゼーゲルが 1886年に考案した高温測定用具であるが,使い捨てなので計器とはいえない。純アルミナに種々の配合物 (ケイ砂石灰ソーダホウ酸,酸化鉄,酸化鉛など) を加え,通常は高さ5~7cmのわずかに傾いた三角錐体 (コーン) につくる。軟化温度 590℃から 2000℃まで,20~30℃きざみに調合が規定された 59等級があり,SK022から SK42までの番号がついている (SKはドイツ語の頭文字) 。軟化点の例を示すと,SK1=1100℃,SK10=1300℃,SK20=1530℃,SK30=1670℃,SK40=1920℃などである。目的温度付近の軟化温度をもつ数本のコーンを炉内に立て,頂部が台につくまで軟化したものの番号で温度を知る。正確な温度測定というより,炉内の焼成の効果の程度を知るのが目的で,窯業でよく使われる。

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百科事典マイペディア 「ゼーゲルコーン」の意味・わかりやすい解説

ゼーゲルコーン

ゼーゲル錐(すい)とも。1886年ドイツのH.A.ゼーゲルが考案した窯業用炉内温度測定用具。カオリン,ケイ砂,長石炭酸カルシウム等を種々に配合,成形し三角錐(高さ約6cm)に焼成した耐火物で,組成を変えることにより軟化温度が少しずつ異なり,ゼーゲル番号(SK)で耐火度を示す。底を固定して炉内に並べて立てておくと,炉内温度より低い軟化温度をもつものは湾曲して倒れるので,その錐の番号からその時の炉内温度が判定される。

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