ゼーゲルコーン(英語表記)Seger Kegel; Seger cone

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ゼーゲルコーン」の意味・わかりやすい解説

ゼーゲルコーン
Seger Kegel; Seger cone

ドイツの H.ゼーゲルが 1886年に考案した高温測定用具であるが,使い捨てなので計器とはいえない。純アルミナに種々の配合物 (ケイ砂石灰ソーダホウ酸,酸化鉄,酸化鉛など) を加え,通常は高さ5~7cmのわずかに傾いた三角錐体 (コーン) につくる。軟化温度 590℃から 2000℃まで,20~30℃きざみに調合が規定された 59等級があり,SK022から SK42までの番号がついている (SKはドイツ語の頭文字) 。軟化点の例を示すと,SK1=1100℃,SK10=1300℃,SK20=1530℃,SK30=1670℃,SK40=1920℃などである。目的温度付近の軟化温度をもつ数本のコーンを炉内に立て,頂部が台につくまで軟化したものの番号で温度を知る。正確な温度測定というより,炉内の焼成の効果の程度を知るのが目的で,窯業でよく使われる。

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