ゼーラント(読み)ぜーらんと(英語表記)Zeeland

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ゼーラント」の意味・わかりやすい解説

ゼーラント
ぜーらんと
Zeeland

オランダ南西部の州。フランドルのオランダ領部分Zeeuws-Vlaanderenとスヘルデ川河口の三角州にある島々からなる。総面積2932平方キロメートル、陸地面積1796平方キロメートル、人口37万4920(2001)。州都ミッデルブルフ地形は低平で、大部分干拓地である。農牧業が盛んで、穀物亜麻(あま)、果樹の栽培や乳牛ウマの飼育が行われる。またカキ、二枚貝の養殖が行われ、中心都市フリシンゲンには造船業がある。10世紀にホラント伯領となり、のち独立州となって1579年のユトレヒト同盟に参加した。1958年からのデルタ・プランで洪水防止、本土と離島の接続など総合開発が推進されている。独特の民族衣装が残り、観光・保養地ともなっている。

[長谷川孝治]

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