日本大百科全書(ニッポニカ) 「ホラント」の意味・わかりやすい解説
ホラント
ほらんと
Holland
オランダ西部の地方名で、州名でもある。この地域はスペインからの独立時に主導権を握り、それ以後も政治、経済、文化の中心となったため、しばしばオランダ全土の名称としても使用される。日本語の「オランダ」もこの地方名が語源である。11世紀以来ホラント伯の所領であった。1323年ゼーラントを合併、1433年ブルゴーニュ公に帰属し、77年ハプスブルク家所領となり、1555年スペインの支配下に入る。1579年ユトレヒト同盟に加わりオランダ独立運動を推進した。1815年ウィーン会議後ネーデルラント王国の一州となり、40年ノールト(北)・ホラント(中心はハールレム)とゾイト(南)・ホラント(中心はハーグ)の二州に分割された。
[長谷川孝治・磯見辰典]