フリシンゲン(読み)ふりしんげん(その他表記)Vlissingen

デジタル大辞泉 「フリシンゲン」の意味・読み・例文・類語

フリシンゲン(Vlissingen)

オランダ南西部、ゼーラント州都市本土と半島状につながるワルヘレン島南端に位置し、スヘルデ川河口に臨む。中世にニシン漁で栄え、17世紀の海運、18世紀の奴隷貿易拠点となった。現在は石油化学工業が盛んで、海軍基地がおかれる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「フリシンゲン」の意味・わかりやすい解説

フリシンゲン
ふりしんげん
Vlissingen

オランダ南西部、ゼーラント州にある港湾都市。英語名フラッシングFlushing。人口4万4776(2001)。スケルデ川河口のデルタ地帯にあるワルヘレンWalcheren島南端に位置し、ウェスタ・スケルデ川に臨んで石油精製、化学、鉄鋼などの工業発達東部にはオランダ最初の原子力発電所も立地する。ニシン漁港およびスケルデ川上流のアントウェルペンへの門戸として古くから発展し、1247年に都市権を獲得、1572年にはスペインへ反旗を翻してオランダ独立への道を開いた。造船所の建設された1875年以降は工業港、商港、またイギリスへの連絡港ともなり、第二次世界大戦中の1944年には連合軍が上陸して、ドイツ軍から町を奪回した。市内には1308年建立の聖ヤコブ教会、1733年の市庁舎などがあり、市立博物館にはこの町の出身者デ・ロイテル提督にちなむ収蔵品が多い。オランダ海軍基地海水浴場としても知られる。

[長谷川孝治]

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改訂新版 世界大百科事典 「フリシンゲン」の意味・わかりやすい解説

フリシンゲン
Vlissingen

オランダ,ゼーラント州の都市。人口4万5726(1980)。スヘルデ川の河口,ワルヘレン島の南岸にある港湾・工業都市。造船業の歴史は古く,現在でも市の最大の工業となっている。また漁港としての機能も重要であり,高等商船学校がある。都市として成立したのは1315年で,オランダ独立戦争中は海軍の基地となり,17世紀には海運,貿易が盛んとなった。18世紀に入るとオランダの奴隷貿易の基地ともなった。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「フリシンゲン」の意味・わかりやすい解説

フリシンゲン
Vlissingen

オランダ南西部,ゼーラント州の港湾都市。オランダ南西端に近い西スヘルデ湾 (スヘルデ川三角江) の湾口に位置する。中世に北海ニシン漁を中心に発達。第2次世界大戦および 1953年の浸水で多大の被害を受けたが,商港,漁港,海軍基地として復興。造船,石油精製,機械などの工業も立地。聖ヤコブ聖堂 (1308) ,囚人塔 (1563) ,市庁舎 (1733) などが残る。人口4万 3913 (1992推計) 。

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百科事典マイペディア 「フリシンゲン」の意味・わかりやすい解説

フリシンゲン

オランダ南西部,ゼーラント州のワルヘレン島南岸にある港湾都市。英国,ベルギーとの間に定期航路が開ける。造船,機械工業が行われ,商船学校がある。4万5000人(2006)。

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