日本大百科全書(ニッポニカ) 「ソコギス」の意味・わかりやすい解説
ソコギス
そこぎす / 底鱚
sping eel
[学] Polyacanthonotus challengeri
硬骨魚綱ソコギス目ソコギス科に属する海水魚。北太平洋、ベーリング海、ニュージーランド沖に分布する。体は細長く、とくに尾部は細い。吻(ふん)が突出し、口は小さくて腹面に開く。背びれには互いに離れた32~35本の棘(とげ)があるが、軟条はない。臀(しり)びれはよく発達して基底が長い。尾びれを欠く。体は暗褐色で胸びれは黒い。レプトセファルス型の幼生期を経る。全長50センチメートル余りになる。水深700~3700メートルの深海にすみ、底引網でまれに漁獲される。日本には本種のほかにクロソコギスとキツネソコギスNotacanthus abbottiがいるが、背びれの棘が少なく、13本以下である。タヌキソコギスは、背びれが棘と軟条からなることで、別のタヌキソコギス科に入る。
[落合 明・尼岡邦夫]