タコグラフ(読み)たこぐらふ(英語表記)tachograph

翻訳|tachograph

日本大百科全書(ニッポニカ) 「タコグラフ」の意味・わかりやすい解説

タコグラフ
たこぐらふ
tachograph

自動車に搭載される運行記録用計器一種運行記録計ともいう。車両の稼動状況を把握するために、運行中の速度変化、走行距離、運行時間などを自動的に記録する。運転者の長時間勤務などの実態を把握することで、疲労などを原因とする事故を予防する。また事故を起こした際には原因解明に役だち、観光バスや長距離トラックの事故では、しばしばタコグラフの解析結果が公表される。

 道路運送車両の保安基準(運輸省令)では、装着が義務づけられた車両や装着する機器の型式などが規定されている。また、事業用車両についても国土交通省令によって装着義務が規定されている。日本では1962年(昭和37)から導入が始まり、路線トラックのほか、貸切バス、片道100キロメートルを超える路線のバスが対象となった。1967年には、15都市のハイヤータクシー、総重量8トン以上、および最大積載量5トン以上のトラック、セミトレーラーフルトレーラートラクターにも範囲が広がった。1990年(平成2)には事業用自動車に、2015年(平成27)4月からは車両総重量7トン以上または最大積載量4トン以上のトラックも対象となった。

[伊東和彦 2016年8月19日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「タコグラフ」の意味・わかりやすい解説

タコグラフ
tachograph

運行記録計ともいう。自動車の瞬間速度,走行距離,運行時間などを自動的に記録する計器で,自動車の運転席に取付けられる。記録は,円形の記録紙の上に時間の経過につれて連続的な線図で描かれ,これを取出して解析すれば運行状態を知ることができる。事故防止対策の面から自動車の運行管理に使用されており,貨物運送車両総重量 8t以上または最大積載量 5t以上の自動車,特別積合せ貨物運送車両,100km以上の運行系統の路線バス,貨切りバス,東京,大阪など特定地域に所属するタクシー,ハイヤーにはタコグラフによる運行記録が義務づけられている。

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