チェバの定理(読み)ちぇばのていり

日本大百科全書(ニッポニカ) 「チェバの定理」の意味・わかりやすい解説

チェバの定理
ちぇばのていり

三角形ABCにおいて、頂点と異なる点をPとし、APBPCPが対辺と交わるとき、その交点をそれぞれD、E、Fとすると、各辺を内分あるいは外分する三つの比の積が1になる。すなわち、

である。これをチェバ定理という。イタリアの数学者チェバGiovanni Ceva(1647?―1734)が1678年に発表した定理。この定理の逆も成り立つ。すなわち、三角形ABCの三辺BC、CA、AB上に3点D、E、Fがあり、前述の三つの比の積が1ならば、三直線AD、BECFは1点で交わる。ただし、3点のうち二つが辺の延長上にあるときは、頂点と結んでできる三直線が平行となることもある。

 三直線が1点で交わることを示す定理を共点定理というが、チェバの定理の逆はその基本となるものである。三角形の重心垂心、内心など、チェバの定理の逆を用いて導くことができる。

[柴田敏男]


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改訂新版 世界大百科事典 「チェバの定理」の意味・わかりやすい解説

チェバの定理 (チェバのていり)
Ceva's theorem

イタリアのチェバG.Ceva(1647-1734)が発見した次の定理をいう。三角形ABCの辺BC,CA,AB,またはそれらの延長上にそれぞれ点D,E,Fがあり,これらは三角形ABCの頂点でないとする。このとき直線AD,BE,CFが1点で交わるか,または互いに平行になるための必要かつ十分条件は,が成り立つことである。ここに上式の左辺の各分数はD,E,Fが線分BC,CA,ABの内分点であるか外分点であるかに応じて,+,または-の符号をつけて考えるものとする。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「チェバの定理」の意味・わかりやすい解説

チェバの定理
チェバのていり
Ceva's theorem

三角形に関する次の定理をいう。三角形 ABCと,その平面上の1点Pが与えられたとき,三角形の頂点A,B,Cと点Pとを結ぶ3直線が,辺 BC,CA,ABまたはその延長と交わる点をそれぞれX,Y,Zとすれば
が成り立つ。この定理は,1678年に G.チェバによって発見された。この定理が成り立つときは,逆に,AX,BY,CZ は1点で交わるか,あるいは平行である。チェバの定理は次のような式でも表わすことができる。
これはまた,A,B,Cに重みをおいたときに,Pを重心として,つまり重心座標で考えていることにあたる。

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