チェンバーズ百科事典(読み)チェンバーズひゃっかじてん(その他表記)Chambers's Encyclopaedia

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「チェンバーズ百科事典」の意味・わかりやすい解説

チェンバーズ百科事典
チェンバーズひゃっかじてん
Chambers's Encyclopaedia

イギリスのオックスフォード出版されている百科事典。名称は初版刊行者であるウィリアム・チェンバーズとロバート・チェンバーズの兄弟の名にちなむ。全 10巻の初版 (1859~68) は,ドイツの『ブロックハウス会話辞典』 German Konversations-Lexikon (現『ブロックハウス百科事典』) 第 10版の翻訳を基にしていた。イーフレイム・チェンバーズの『学術百科事典』 Cyclopaedia (1728) とは別ものである。現代版全 15巻は 1950年に出版された。収録項目は国際的な範囲にわたるが,学術研究への寄与を重視する姿勢からイギリス関連の事項に重きをおいている。継続的な改版システムをもたないため,多くの項目には日付が示してある。最新版 (1973) は,パーガモンが出版した 1966年改訂版に修正を加え,体裁や掲載項目,分量配分を一新している。特に人文地理伝記の分野で,歴史的記述の信憑性,学術性,および洗練された文体定評がある。体裁は保守的である。

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百科事典マイペディア 「チェンバーズ百科事典」の意味・わかりやすい解説

チェンバーズ百科事典【チェンバーズひゃっかじてん】

英国の百科事典。(1)Chambers's Cyclopaedia。スコットランド人イフレーム・チェンバーズが1728年に2冊本で出版。英国の近代百科事典の祖で,フランス百科全書出現影響。(2)Chambers's Encyclopaedia。1859年―1868年,スコットランドの出版業者ウィリアム・チェンバーズ兄弟が刊行。大項目と小項目併用。初版は10冊本,1955年以後15冊本。
→関連項目百科事典

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世界大百科事典(旧版)内のチェンバーズ百科事典の言及

【百科事典】より

…《百科全書》の精神を現代に生かそうと企図されたもので,大項目主義をとり,〈シソーラス(索引事典)〉3巻と〈オルガヌム(体系的展望)〉1巻を含む。
[イギリス]
《チェンバーズ百科事典Chambers’s Encyclopaedia》1955年,15巻。《ブリタニカ》がアメリカに買収(1920)されて以後,イギリスを代表する百科事典。…

※「チェンバーズ百科事典」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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