ブロックハウス百科事典(読み)ブロックハウスヒャッカジテン(その他表記)Der Grosse Brockhaus

デジタル大辞泉 「ブロックハウス百科事典」の意味・読み・例文・類語

ブロックハウスひゃっかじてん〔‐ヒヤククワジテン〕【ブロックハウス百科事典】

Der Grosse Brockhausドイツを代表する百科事典出版業者F=A=ブロックハウス(1772~1823)が1809年初版刊行小項目主義で、豊富な図版と簡潔な説明特色

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ブロックハウス百科事典」の意味・わかりやすい解説

ブロックハウス百科事典
ぶろっくはうすひゃっかじてん
Der Grosse Brockhaus

ドイツを代表する百科事典。旧西ドイツのブロックハウス社発行。1808年、ドルトムント生まれの書籍商ブロックハウスFriedrich Arnold Brockhaus(1772―1823)は、破産した出版社の『家庭百科事典』Frauenzimmer-Lexikonの著作権を買収し、11年に『会話事典』Brockhaus' Konversations-Lexikonと命名して6巻で完成、さらに補遺2巻を加えた。翌年第2版に着手、その小項目主義を徹底させ、また説明も平易で図版も多かったので大いに歓迎され、その翻訳が数か国で行われて国際的にも有名になった。29~33年に、アメリカでリーバーFrancis Lieber(1800―72)が『アメリカーナ百科事典』Encyclopedia Americana16巻を発行したが、大部分はブロックハウスの翻訳であり、それにアメリカの事項を加えたものであった。また、59~68年にイギリスでチェンバーズWilliam Chambers(1800―83)が『チェンバーズ大百科事典』Chambers's Encyclopaedia10巻を発行したが、これもブロックハウスの10版によっており、それにイギリス関係事項を加えたものであった。そのほか、ブロックハウスの小項目主義と平易な解説を模倣したものにアメリカの『新国際百科事典』The New International Encyclopaedia(1902)、オランダの『ウィンクラー・プリンス百科事典』Grote Winkler Prins(1870~82)があり、ロシアではエフロンがブロックハウスとの共同出版による『ブロックハウス・エフロン百科事典』Entsiklopedicheskii Slovar'、(1890~1907)82巻・補遺4巻を発行した。また、フランスのラルースLarousseやドイツのマイヤーMeyersの百科事典にも、その影響がみられる。

[彌吉光長]

最近版

1966~76年、ブロックハウスの第17版24巻が『Brockhaus Enzyklopädie』の書名で刊行され、75年地図帳、76年に補遺が発行されたが、小項目主義の伝統にのっとり、収録項目数22万5000。重要項目には数ページを費やすが、一般に大項目も1ページ強に収めている。大項目は総論または集約的性格をもち、これに関する事項や人物項目は独立して解説され、親項目星印で関連づけられる。たとえば、浮世絵という項目は3分の1ページにまとめられ、十数人の代表的画家は独立項目として解説され、相互参照で連絡づけている。1977~82年、第18版が第15版当時の現在の書名に戻されて、12巻の情報事典として発行されている。

[彌吉光長]

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改訂新版 世界大百科事典 「ブロックハウス百科事典」の意味・わかりやすい解説

ブロックハウス百科事典 (ブロックハウスひゃっかじてん)
Der grosse Brockhaus

ドイツの代表的百科事典の一つ。ビブリオグラフィッシェス・インスティトゥート &F.A.ブロックハウスAG傘下のF.A.ブロックハウス社発行。1796年,ライプチヒの学者レーベルGotthelf Renatus Löbel(1767-99)は,教養人が〈有益な会話に加わり,価値ある書物を利用する〉のに役だつ《会話辞典》,別名《婦人百科事典》を,友人C.W.フランケ(?-1831)と共に編集,刊行を始めたが,完結前に没した。アムステルダムで出版業を営んでいたブロックハウスFriedrich Arnold Brockhaus(1772-1823)は1808年,この辞典の権利を買い取って6巻で完結させ,これに補遺2巻を加えて増刷した(1809-11)。続いて彼みずから第2版の編集にかかり,全8巻の予定で12年から刊行し始めたが,既刊分を途中で2度も改訂し,ようやく10巻で第2~4版を完結(1819),補遺を出して(1819-20)たび重なる改訂にけりをつけた。この間に彼はドイツのアルテンブルクに移り(1811),14年にF.A.ブロックハウス社を設立,さらに17年にはライプチヒに移った。《ブロックハウス》は,学者たちが大項目で長い論文を執筆していた19世紀にあって,利用しやすいようにアルファベット順に小項目をたてて広く国民に歓迎されたが,欧米各国の百科事典出版への影響も大きく,これを翻訳・改作した事典も多く出された。20世紀に入り,第2次世界大戦前に第15版(20巻,1928-35)まで刊行したが,戦後に会社は没収され,東ドイツの国営企業に改組された。百科事典の刊行はウィースバーデンに本拠を移して行われ,第16版(12巻,補遺2巻,1952-63),第17版(20巻,補遺4巻,1966-81),第18版(12巻,補遺3巻,1972-82)が刊行された。1984年にビブリオグラフィッシェス・インスティトゥート(《マイヤー百科事典》の項参照)と合併し,第19版(24巻,補遺7巻,1986-96)を刊行。この間の書名は,第15版,16版,18版は《Der grosse Brockhaus》,第17版,19版は《Brockhaus Enzyklopädie》となっているが,現在刊行中の第20版(24巻,1996- )は《Brockhaus Die Enzyklopädie》である。また84-85年には全5巻の《Der neue Brockhaus》も刊行した。
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百科事典マイペディア 「ブロックハウス百科事典」の意味・わかりやすい解説

ブロックハウス百科事典【ブロックハウスひゃっかじてん】

ドイツの有名な百科事典出版社ブロックハウスBrockhausから出版。1808年初めて6冊本を刊行,徹底した小項目主義で知られる。1966年―1974年17版の20冊本(約20万項目),1977年―1981年18版の12冊本(本巻)を刊行。記述は簡潔で,さし絵も多い。
→関連項目百科事典

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ブロックハウス百科事典」の意味・わかりやすい解説

ブロックハウス百科事典
ブロックハウスひゃっかじてん
Brockhaus Enzyklopädie

ドイツのブロックハウス社から発行されている小項目主義の百科事典。 1805年 F.ブロックハウス (1772~1823) がライプチヒにブロックハウス社を創立,08年百科事典 (6巻) を創刊した。 1928年『大ブロックハウス』 Der Grosse Brockhausの刊行を開始し 34年完成。第2次世界大戦後はビースバーデンに移転し,66年から 23巻の百科事典を刊行している。

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