日本大百科全書(ニッポニカ) 「チャバネセセリ」の意味・わかりやすい解説
チャバネセセリ
ちゃばねせせり / 茶翅挵蝶
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[学] Pelopidas mathias
昆虫綱鱗翅(りんし)目セセリチョウ科に属するチョウ。日本では中部地方の太平洋岸の暖地より以南に分布、夏から秋にかけて関東・北陸地方などで発見される個体はそれより南方からの分散と推定される。国外では中国から東南アジアにわたって広く分布する。はねの開張30~42ミリメートル程度。日本西南部ではイチモンジセセリとともにきわめて普通のセセリチョウで、雄の前ばね表面には地色より明るい線状の性標がある。日本本土では第1化は5月より出現、以後、発生を繰り返して11月ごろまでその姿がみられ、晩秋もっとも遅くまで活動するチョウの一つ。幼虫の食草はイネ、ススキ、チガヤ、その他のイネ科の雑草。幼虫態で冬を越す。
[白水 隆]