日本大百科全書(ニッポニカ) 「チュコト」の意味・わかりやすい解説
チュコト
ちゅこと
Чукот/Chukot
ロシア連邦に属する自治管区。チュコト自治管区Чукотский автономный округ/Chukotskiy avtonomnïy okrugという。チュクチともいい、チュクチは同自治管区の民族名も意味する。1930年に創設されたが、1977年までは民族管区といった。ロシア連邦最北東端のチュコト半島と大陸部および諸島からなり、北は北極海、南東はベーリング海に面する。面積73万7700平方キロメートル、人口8万1000(1998)。行政中心地はアナディリ。ソ連崩壊(1991年12月)後の92年7月、チュコト自治管区の発議による「チュコト自治管区がロシア連邦の構成に直接加わることについてのロシア連邦法」が採択され、それに基づいてマガダン州の構成から分離した。
大部分は山地で、中央部はアナディリ低地。平均気温は1月零下39~零下15℃、7月5~10℃。年降水量は200~500ミリメートル。
1989年国勢調査による民族構成は、ロシア人(10万8297、66.1%)、ウクライナ人(2万7600、16.8%)、チュクチ人(1万1914、7.3%)、その他である。
おもな産業は、多金属鉱や石炭の採掘、漁業、水産加工、トナカイ飼育、毛皮獣や海洋獣の狩猟、酪農、温室栽培が行われている。
[上野俊彦]