チリ大学(読み)チリだいがく

大学事典 「チリ大学」の解説

チリ大学[チリ]
チリだいがく

チリを代表する国立総合大学で,首都サンティアゴに所在。創立は1842年で,初代学長は著名な文人アンドレス・ベリョ。大学のルーツは植民地時代の1738年にスペイン国王によって設立されたサンフェリペ大学(チリ)にさかのぼる。1888年にチリ・カトリック大学が創設されるまではチリで唯一の大学であり,また1947年に国立工科大学が設立されるまでは唯一の国立大学として政官界,学術界,芸術界に多数のエリートを送り出してきた。かつてはチリの各地方都市に多数の大学分校を持っていたが,1980年代の大学再編により,分校はそれぞれ地方大学として分離独立し,首都圏のキャンパスのみとなった。2012年現在,法,経済,理,物理・数学化学薬学,社会科学,人文,医,歯,農学獣医畜産,林業・自然保護,芸術,建築の14学部,国際関係研究など四つの学内研究所に学部生2万8697人,大学院生9620人が在籍。26研究領域で博士課程コースを提供する研究大学でもある。
著者: 斉藤泰雄

出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「チリ大学」の意味・わかりやすい解説

チリ大学
チリだいがく
Universidad de Chile

チリの首都サンチアゴにある国立大学。前身は 1738年スペイン王フェリペ5世により設立されたサン・フェリペ大学。チリ独立 (1818) 後の 1843年現在の名称となる。 1981年の組織改編により9つの分校が独立の大学として分離した。建築・都市計画,美術理学,化学・薬学,歯学,経済学・行政学,法学医学,人文学,物理学・数学,畜産学,農林学,社会学などの学部のほか,国際関係,栄養・食品工学,政治学などの研究所がある。学生数約1万 9600名,教員数約 4400名 (1997) 。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のチリ大学の言及

【チリ】より

…チリは教育の水準に関してもラテン・アメリカ諸国の中でも最も高い国の一つであり,義務教育は8年で,高等教育への進学率も高い。大学は国立チリ大学(1738創立),チリ・カトリック大学(1888創立)をはじめとする伝統的大学の他,大学設置の規制緩和により,新たに多数の新しい大学が設置されており,その幾つかは特徴ある教育方針を掲げている。このことを含め教育にも競争原理を導入する政策が行われ,教育の振興が図られている。…

※「チリ大学」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

ベートーベンの「第九」

「歓喜の歌」の合唱で知られ、聴力をほぼ失ったベートーベンが晩年に完成させた最後の交響曲。第4楽章にある合唱は人生の苦悩と喜び、全人類の兄弟愛をたたえたシラーの詩が基で欧州連合(EU)の歌にも指定され...

ベートーベンの「第九」の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android