改訂新版 世界大百科事典 「ツチスガリ」の意味・わかりやすい解説
ツチスガリ
Cerceris hortivaga
膜翅目アナバチ科の昆虫。体長7~14mm。全体に黒色で,頭部,胸部,肢に小黄紋が,腹部に黄帯がある。腹部の各節は互いに強くくびれてふしのようなので,フシダカバチ(節高蜂)ともいう。アジア大陸,ヨーロッパに広く分布する。カリバチの1種でコハナバチ類を狩り幼虫の餌として地中に巣をつくり蓄える。ツチスガリ類はコハナバチ類,ヒメハナバチ類,甲虫のゾウムシ類,タマムシ類,ハムシ類などを狩る種類がいる。日本にはコハナバチ類を狩るマルモンツチスガリC.japonica,クチブトゾウムシ類を狩るキスジツチスガリC.arenaria yanoi,ニッポンツチスガリC.nipponensis,ヒメツチスガリC.carinalis,カメノコハムシ類を狩るアカアシツチスガリC.albofasciataなどが知られている。
執筆者:勝屋 志朗
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報