改訂新版 世界大百科事典 「ティルチラパリ」の意味・わかりやすい解説
ティルチラパリ
Tiruchirāpalli
Tiruchchirāppalli
インド南端部,タミル・ナードゥ州中部の宗教都市。別名ティルチTiruchi。旧名トリチノポリTrichinopoly。人口74万6062(2001),大都市域人口84万7131(2001)。カーベーリ川の平野への流出点にあり,同デルタとデカン高原を結ぶ戦略的・交通的要地を占める。10~17世紀にドラビダ諸王朝の首都となることが多く,ドラビダ文化の中心地の一つとして栄えた。市の北部にそびえる岩丘(ロック・フォート)は18世紀中期のカルナータカ戦争の戦場で,今も城塞が残る。北の中洲にあるラグナータスワーミ寺院はインド有数のヒンドゥー教寺院で,12~1月の大祭には多数の巡礼者を集める。周辺からの米,雑穀,綿花,ラッカセイなどを集散し,紡績,化学,セメントなどの諸工業が立地する。
執筆者:応地 利明
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報