知恵蔵 「テニス4大大会」の解説
テニス4大大会
全豪オープン(開催地メルボルン)は、毎年1月に開催され、4大大会の中ではその年最初の大会。シーズン開幕早々の時期であり、欧米の選手にとっては時差や気候の違いもあることから、番狂わせがおきやすい大会と言われる。会場のメルボルン・パーク(ハードコート)は開閉屋根付きのセンターコートが有名。2009年は1月19日~2月1日に開催され、13年ぶりに4大大会本戦に出場したクルム伊達公子が話題となった。
全仏オープン(開催地パリ)は、クレーコート(赤土)で行われる。クレーコートはバウンドが遅いためラリーが長く続き、過酷なトーナメントと言われる。クレーの得手不得手が意外な結果を呼ぶことも少なくない。09年は5月24日~6月7日の開催予定。
全英オープン(通称「ウィンブルドンWimbledon」。開催地ロンドン)は、4大大会の中で最も長い歴史を持つ。伝統を重んじ、白色のウエアの着用が義務付けられている。芝のコートで開催されるためバウンドが速く、サーブの強い選手に有利と言われる。09年は6月22日~7月5日の開催予定。
全米オープン(開催地ニューヨーク)の会場となるのは、ナショナル・テニスセンター(ハードコート)。そのセンターコート(アーサー・アッシュスタジアム)は収容人数2万3千人以上と4大大会会場中で最大である。09年は8月31日~9月13日の開催予定。
これら4大大会すべてを同一年内に制することを年間グランドスラムと呼び、今までにシングルスでは男子2名(ドン・バッジ、ロッド・レーバー)、女子3名(モーリーン・コノリー、マーガレット・スミス・コート、シュテフィ・グラフ)が達成している。また、選手成績通算でこれらの大会を制することを生涯グランドスラムと言い、同、男子3名(フレッド・ペリー、ロイ・エマーソン、アンドレ・アガシ)、女子6名(ドリス・ハート、シャーリー・フライ、ビリー・ジーン・キング、クリス・エバート、マルチナ・ナブラチロワ、セリーナ・ウィリアムズ)が達成している。なお、日本の杉山愛は、ダブルスでの生涯グランドスラムに、あと全豪オープンを残すのみと迫っているが09年の全豪オープン女子ダブルスでは惜しくも決勝で敗れた。
(葛西奈津子 フリーランスライター / 2009年)
テニス四大大会
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出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報