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ヨーロッパ中世の騎士による馬上試合。11世紀中ごろフランスで始まり,初期にはおおぜいの騎士が2組に分かれて争うメレmêléeだったが,やがて1対1で長槍を使って相手を馬から落とすジョーストjoustという方法が生まれ,15世紀には領主や貴婦人の見物するなかを,試合専用のりっぱな甲冑を身につけて闘った。剣や槍の先は丸くして危険を防いだが,死傷者の出ることも多かった。このほか,固定した標的を槍でつく競技にクインティンquintainと呼ばれるものがあり,これは庶民のあいだでも盛んに行われた。
現代のスポーツでは,トーナメントは勝抜き戦によって優勝者を決める競技方法をさす。1回戦の勝者が2回戦へ進出,その勝者が次の回へ進み,最後の勝者が優勝者となるもので,テニスやゴルフ(マッチ・プレー)の試合でしばしば採用される。参加者が総当りするリーグ戦にくらべ試合総数が少なくてすむが,1,2位以外は順位がつかない。強い者同士が早い回で当たらないようにシード法seedを導入することが多い。これは強い者にあらかじめ順番をつけ,意図的に分散して配置する方法である。
執筆者:石川 聡
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競技方式の一種で、最後まで勝ち残った者を優勝者とする勝ち残り式試合のことをいう。そのおこりは、二組に分かれて攻撃しあい相手を落馬させ、その落馬した数が少ない組を勝ちとした、11世紀のフランスにおけるトルノワtournoiともよばれる騎士の馬上試合であるが、それが転じて試合、勝負を意味し、さらに競技方式を示すようになった。トーナメントは、試合が行われるにつれ試合数が少なくなるため、参加者が多い場合でも比較的短期間に成績を決められるという長所をもつが、勝ち抜き戦であるために、敗者は一度敗れると他と対戦する機会を失うという短所ももつ。このようなトーナメントの短所を補うために、一般には強い者同士が最初から対戦しないようにシード制を用いたり、総当たり試合であるリーグ戦の長所を取り入れた、「トーナメント・リーグ結合型」の方式を採用したりする。この方式には次の二つがある。一つは、参加者を数グループに分けて各グループでリーグ戦をしたあとに、おのおののグループの勝者がトーナメント戦を行う方式であり、他の一つは、最初にトーナメント戦で参加者を減らし、その後リーグ戦を行う方式である。
[犬馬場紀子]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
出典 旺文社世界史事典 三訂版旺文社世界史事典 三訂版について 情報
…勇猛,むしろ凶暴は騎士の本質であった。騎士道絵巻のひとこまとして想起される野試合(トーナメント)にしても,武技を鍛え勇猛心を鼓舞すると同時に,敵手の乗馬や武具を奪うための,悽惨な遊戯,実戦の代用であった。殺害を直接目的とはしなかったものの,死傷者続出は避けられなかった。…
…
[概念]
スポーツとは,競争を中心とする〈近代スポーツ〉,楽しさを中心とする〈ニュー・スポーツ〉,民族的なアイデンティティや儀礼を中心とする〈民族スポーツ〉,癒しや瞑想を中心とする〈瞑想系身体技法〉,健康を志向する〈体操・ダンス〉,自然との接点を求める〈野外スポーツ〉などの総称である。 近代スポーツには,サッカーや野球のようなボールゲーム,走・跳・投の陸上競技,剣道や柔道のような格闘競技,スキーやスケートのような氷雪上の競技,競泳や飛び込みのような水上競技,競馬やドッグレースのような動物のスポーツ,ヨットやボートのような舟のスポーツ,自転車や自動車のような車のスポーツ,ボールルーム・ダンスを中心とする競技ダンス,などが含まれている。…
※「トーナメント」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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