テペ・スカンダル遺跡(読み)テペ・スカンダルいせき(その他表記)Tepe Skandar

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「テペ・スカンダル遺跡」の意味・わかりやすい解説

テペ・スカンダル遺跡
テペ・スカンダルいせき
Tepe Skandar

アフガニスタンカブールの北約 30kmのバーラー・アーブ村の東にある 440m× 280mのテル。スカンダルはペルシア語で「アレクサンドロス」の意。 R.ギルシュマンがかつてストラボンのいうオルトスパナに比定した遺跡。京都大学中央アジア調査隊が 1970年より調査を行い,2層の建物の堆積を検出している。上層では付近にあるイスタリフ窯の陶器を伴う近世の建物址,下層からは赤色土器,文様にササン朝期の伝統をひく印文土器を伴う神祠風遺構が出土しており,大理石製のヒンドゥー教神像が発見された。ウマー・マヘーシュバラ神の並坐像で,台座にはブラーフミー文字銘文が刻されていた。この神像から玄奘の『大唐西域記』迦畢試国の条にみえるしゅう蔽多伐刺詞城ではないかと推測されている。

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