テポドン(読み)てぽどん

知恵蔵 「テポドン」の解説

テポドン

「ノドン」のページをご覧ください。

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百科事典マイペディア 「テポドン」の意味・わかりやすい解説

テポドン

朝鮮民主主義人民共和国が開発中と推測される弾道ミサイルのコードネーム弾道ミサイル発射基地が北朝鮮の東部海岸の大浦洞(テポドン)にあるところから,このように呼ばれる。1998年8月31日,北朝鮮はテポドン1ミサイルと推定された中距離弾道ミサイルを発射,その弾頭部分が三陸沖遠方の太平洋上に着弾し,日本の安全保障上の大問題として議論をよんだ。2006年7月北朝鮮は再び弾道ミサイル7発の発射実験を行い日本海に着弾,このうち一発はテポドン2号と推定されている。さらに2009年4月,北朝鮮は通信衛星の打ち上げとして,テポドン2号の改良型を推定される飛翔体を発射,北朝鮮は衛星打ち上げに成功と発表したが,米国,ロシアなどは衛星打ち上げとしては失敗したという認識を示した。しかし,北朝鮮の長距離弾道ミサイル製造技術は確実に進化していると推定されている。人工衛星を打ち上げるためのロケットも,軍事目的のミサイルも基本構造は同じで,高性能爆薬などの弾頭を装備したものがミサイルとなる。北朝鮮の長距離弾道ミサイルの開発能力の高度化は,同国の核問題とともにアジア太平洋地域の安全保障に重大な脅威となっている。→ノドン1号/TMD

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「テポドン」の意味・わかりやすい解説

テポドン
てぽどん

北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)が開発したミサイルの通称。咸鏡北道(かんきょうほくどう)花台郡舞水端(ムスダン)里の旧名、「大浦洞(テポドン)」にちなむ。準中距離弾道ミサイルの「テポドン1」は、射程距離約1500キロメートル以上。1998年8月に発射され、日本列島を越えた。北朝鮮は人工衛星「光明星(クァンミョンソン)1号」をロケット「白頭山(ペクトゥサン)1号」に搭載したものだと主張している。大陸間弾道ミサイル(ICBM)の「テポドン2」は、2006年7月に初の発射実験が行われ、新型ブースターを1段目、ノドンを2段目に利用した2段式ミサイルで、射程距離は約6000キロメートル。2009年4月には「テポドン2」、または派生型の発射実験が実施されるなど、改良が重ねられてきた。これら派生型は北朝鮮では「銀河(ウナ)2号」「銀河3号」などとよばれる。

[礒﨑敦仁 2020年10月16日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「テポドン」の意味・わかりやすい解説

テポドン
Taepo Dong

朝鮮民主主義人民共和国 (北朝鮮) の長距離弾道ミサイル。1号があり,2号は開発中とされている。 1994年2月にアメリカが衛星によって確認したと伝えられたもので,秘密ミサイル発射基地の所在地とされる北東海岸部のテポドンを米側がコードネームとして採用した。射程距離はテポドン1号が沖縄に届く 2000km,2号は 4000~6000kmと推測されている。 98年8月,テポドン1号と思われるものが北朝鮮から日本海に向けて発射され,その弾頭が日本上空をこえて三陸沖の太平洋上に落下。日本政府は強く抗議したが,北朝鮮側は人工衛星の発射と主張した。

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