改訂新版 世界大百科事典 「テントウムシダマシ」の意味・わかりやすい解説
テントウムシダマシ
テントウムシ科に属するオオニジュウヤホシテントウHenosepilachna vigintioctomaculata,ニジュウヤホシテントウH.vigintioctopunctataの両種を指す俗称。テントウムシはアブラムシ類を食して有益であるが,テントウムシダマシはテントウムシに似た色と形をもちながら,ジャガイモ,ナス,トマトなどのナス科の農作物を食べ荒らす害虫として知られる。ダマシはだますに由来する。類似した名まえにテントウダマシがあるが,これはテントウダマシ科Endomychidaeの昆虫の総称。テントウムシ科に近縁の科で,日本からはヨツボシテントウダマシAncylopus pictus,ルリテントウダマシEndomychus gorhami,キイロテントウダマシSaula japonicaなど40種あまりが知られる。主として食菌性でキノコ類やカビ類中に見いだされる。キイロテントウダマシは柑橘(かんきつ)類のカイガラムシを捕食するため有益とされている。この科の幼虫の形態はテントウムシ科のものに類似する。
執筆者:林 長閑
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報