日本大百科全書(ニッポニカ) 「ニジュウヤホシテントウ」の意味・わかりやすい解説
ニジュウヤホシテントウ
にじゅうやほしてんとう / 二十八星瓢虫
[学] Henosepilachna vigintioctopunctata
昆虫綱甲虫目テントウムシ科に属する昆虫。本州、四国、九州、南西諸島から台湾、中国さらに東洋熱帯域に広く分布するナス類の大害虫。体長6~7ミリメートル。半球形の体で、黄褐色ないし赤褐色であるが、灰色の短毛を密生しているので光沢が鈍い。前胸背には3~6個、各上ばねに14個の黒紋があるが、一部が消えることもある。成虫・幼虫ともにナス、ジャガイモ、トマトなどナス科植物の葉を食害し、脈を残して網目状にする。越冬した雌は春から平均500の卵を産み、平均して40日ほどたつと次の世代の成虫が現れ、その雌はさらに多く産卵し、およそ1か月余りたって羽化した成虫は越冬する。幼虫は白くて紡錘形で太っており、前胸に2対、ほかの節に各3対の黒い樹枝状突起を備えている。同属の種にはジャガイモの害虫オオニジュウヤホシテントウ、ウリ類につくジュウニマダラテントウなどがある。
[中根猛彦]