日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
オオニジュウヤホシテントウ
おおにじゅうやほしてんとう / 大二十八星瓢虫
[学] Henosepilachna vigintioctomaculata
昆虫綱甲虫目テントウムシ科に属する昆虫。日本全土(暖地では山地)および東シベリア、朝鮮半島、中国に分布する。ジャガイモやナスの葉を食害する大害虫。体長6.5~8ミリメートル。体は半球形で赤褐色ないし灰色の短毛に覆われ、多くの黒色斑点(はんてん)を備える。成虫は初夏から現れ、葉の裏に産卵し、幼虫は紡錘形で淡黄色を帯び、枝のある黒くて長い突起を各体節に2~3対もち、成熟すると9ミリメートルぐらいになる。成虫、幼虫はともに葉肉を食べて葉を網状にする。蛹(さなぎ)は葉の裏にみいだされる。
本種によく似たコブオオニジュウヤホシテントウH. pustulosaは、アザミの葉を食べるが、ジャガイモ畑にもみられ、南部を除く北海道に分布する。さらに北海道南部より本州にかけて、アザミやルイヨウボタンを主食とする前種の近縁種が産し、それらの間の複雑な関係は分類や生態などの研究上、興味のある対象となっている。
[中根猛彦]