ディスク・ジョッキー(読み)でぃすくじょっきー(英語表記)disk jockey

翻訳|disk jockey

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ディスク・ジョッキー」の意味・わかりやすい解説

ディスク・ジョッキー
でぃすくじょっきー
disk jockey

略称DJ。本来の意味は、diskレコード盤をさし、jockey騎手であるから「レコードを操る人」。もともとはラジオ番組などでいろいろな話をしながらレコードを聞かせる司会者のことをいった。現在では、ラジオ番組のディスク・ジョッキーは、個性を前面に出して語りかける手法が多くなってきたことから「パーソナリティー」とよばれるようになった。ディスク・ジョッキー番組は、ラジオの特性にも調和しており、制作経費も安いために、アメリカでは1920年代からあったといわれる。日本でこれがとくに多くなってきたのは1960年代中盤(昭和40年代)以降で、当時テレビの普及によって圧倒された民放ラジオは、パーソナリティーを起用した番組を、時間帯ごとに細かく編成して聴取者を獲得しようとした。現在では、この形式がラジオ番組の基本といってもよいぐらいに普及し、定着している。既存のレコード音源を利用してラップのバック音楽をつくりだしたり、ディスコ(クラブ)などで踊る音楽の選曲や編集を行う者は「DJ」とよばれる。

[田村穣生]

『軍司貞則著『ラジオパーソナリティ――22人のカリスマ』(1998・扶桑社)』『ウルフマン・ジャック、バイロン・ローソン著、佐藤めぐみ訳、西川正志監修『ハブ・マーシー!――ウルフマン・ジャック自伝』上下(1998・中央アート出版社)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ディスク・ジョッキー」の意味・わかりやすい解説

ディスクジョッキー
disc jockey; disk jockey

ラジオやテレビでレコード(ディスク)音楽をかけながら,曲の解説や話を交えて番組を進行させる人,またはその形式。略して DJという。1930年代にアメリカ合衆国で始まった。当初連邦通信委員会 FCC規則により,生演奏ではなくレコードの曲を放送していることを番組中に再三説明しなければならず,聴取者に受け入れられなかったが,1940年に規制が緩和され,人気が出始めた。第2次世界大戦後,DJ形式の番組は制作費が安いため盛んに制作され,各放送局の経営基盤を支えた。1950年代には聴取者の DJに対する信頼があつくなり,DJが選曲したレコードの売れ行きが上がるようになった。そこでレコード会社の DJに対する賄賂横行,1959年には連邦政府の捜査によって贈収賄事件が発覚するまでになった。日本では,1960年代初め頃からラジオ番組のなかで大きな部分を占め始め,聴取者の人気を得た。今日,この形式はラジオ番組の基本となっている。

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