デスパニエ(その他表記)Jean d'Espagnet

改訂新版 世界大百科事典 「デスパニエ」の意味・わかりやすい解説

デスパニエ
Jean d'Espagnet
生没年:1560ころ-?

フランスの学者。南フランスのサン・テミリオンで生まれたと推定される。司法界の人として,ボルドーの最高法院院長や法令院院長を務め,バスク地方の魔女裁判,南フランスの新教徒反乱等に関係した。人文主義の流れを汲むラテン語の詩作や《若き君主のための教育論》等の著書があるが,著述家としては錬金術の分野でより多く知られ,《自然哲学再興の手引書》と《ヘルメス哲学の秘法》(ともに1623)を著した。前者は新プラトン主義やグノーシス思想の影響が濃い一種の自然哲学で,原物質から黄金の完成へ向かう錬金工程を,天地の創造と万物の形成過程に重ね合わせながら展開している。後者は黄金造出法をより具体的に述べた処方である。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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