デマンドレスポンス(読み)でまんどれすぽんす(その他表記)demand response

デジタル大辞泉 「デマンドレスポンス」の意味・読み・例文・類語

デマンド‐レスポンス(demand response)

電力消費のピーク時に電気料金単価が割高になったり、節電努力に応じて何らかの報酬が得られたりすることで、電力消費の総量を抑制する仕組み。需要反応需要応答需要家応答DR

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「デマンドレスポンス」の意味・わかりやすい解説

デマンドレスポンス
でまんどれすぽんす
demand response

不要不急の電力使用を抑えて、電力需要のピークを引き下げようとする概念。需要応答、需要家応答ともよばれる。家庭や工場などの電力消費量をリアルタイムで把握する次世代電力計(スマートメーター)やITなどを活用し、料金が安い時間帯に電気を使用、蓄電するように需要家を促す手法をとる。具体的には、昼間の料金を高く夜間料金を安く設定する「時間帯別料金」、翌日の電力需給逼迫(ひっぱく)しそうな場合にピーク時の電気料金を一段と高くする「緊急ピーク時課金制度」、電気使用量を削減した需要家に料金を払い戻す「緊急ピーク時リベート」などの手法がある。

 従来日本はじめ各国は電力需要のピークにあわせて、発電所を増やして電力供給力を増強する政策をとってきたが、2003年のニューヨーク大停電を機に、アメリカで電力使用を自動的にコントロールするスマートグリッド(次世代電力網)を活用したデマンドレスポンスの考え方が広がった。日本でも2011年(平成23)3月の東日本大震災時の福島第一原子力発電所の停止などによる電力不足をきっかけに、消費者や企業が節電に協力して、人手によりデマンドレスポンスを行う手法がとられた。そのため、日本でもスマートグリッドによる自動化されたデマンドレスポンスへ、電力政策の比重を移すべきだとの主張が環境保護派や情報産業界などから出ている。

[編集部]

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知恵蔵mini 「デマンドレスポンス」の解説

デマンド・レスポンス(DR)

電力受給の制御において、供給側が電気料金設定をピーク時に割高にしたり、適切な節電に対しインセンティブを支払うなどの各種の設定を行うことで、電力消費抑制を促進し、電力受給の協調を図る方式のこと。経済産業省はデマンド・レスポンスを次世代の省エネ産業としてサービスの事業化に向け、2013年秋にも実証実験を始める方針を固めた。電力会社と大口利用者の間に「アグリゲータ」と呼ばれる仲介業者が入り、電力会社の供給余力が少なくなった場合、利用者に電力使用抑制を働きかける。電力会社は仲介事業者に手数料を支払い、利用者は需給次第で使用量を調整させられる代わりに、仲介業者から金銭などの対価を得る。仲介業者には、こうしたシステムを扱う電機メーカーなどの参入が見込まれる。米国では省エネビジネスとして定着しており、福島第一原発事故を契機に注目を浴びるようになった。

(2013-7-2)

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