デュプラ(読み)でゅぷら(その他表記)Guillaume Léonce Duprat

日本大百科全書(ニッポニカ) 「デュプラ」の意味・わかりやすい解説

デュプラ
でゅぷら
Guillaume Léonce Duprat
(1872―1956)

スイスの社会学者。ボルドー大学医学哲学を学んだ。1922年よりジュネーブ大学の社会学および社会経済学の教授。当初デュルケームの影響を受けたが、のちにこれに対抗し社会心理学重視、国際社会学会に拠(よ)ってその立場を鮮明にした。デュルケームの社会的拘束を心の内部のものと理解し、その限りにおいて社会ダーウィン主義とは相いれず、社会学は、社会的事実の観察文書による立証・比較や分類を基礎にして社会発展の予測、したがってその再組織化を行う科学であると規定した。

[鈴木幸寿]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「デュプラ」の意味・わかりやすい解説

デュプラ
Duprat, Guillaume Léonce

[生]1872
[没]1956
スイスの社会学者。ジュネーブ大学教授。 R.ウォルムス創設の国際社会学会を受継ぎ,指導的立場にあった。 G.タルドによる心理学的社会学を継承,G.リシャールとともにこの学派を代表する人物。デュルケム学派の社会学主義を,研究対象を不当に拡大させ,また,集合意識にみられるような反心理学的傾向が形而上学に偏しているとして批判し,社会現象の研究は,社会学と心理学の両者を有効に調整させた心理社会学によるべきことを主張した。主著『道徳的心理社会学』 La Morale psychosociologique (1900) ,『社会心理学』 La Psychologie sociale (20) 。

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