トゲイヌツゲ(その他表記)Scolopia oldhamii Hance

改訂新版 世界大百科事典 「トゲイヌツゲ」の意味・わかりやすい解説

トゲイヌツゲ
Scolopia oldhamii Hance

琉球諸島の近海地にまれに見られるイイギリ科の常緑小高木で,高さ10m,直径20cmに達する。若枝に太いとげがある。革質の葉は互生し,短い葉柄を有し,卵形または披針形,3主脈があり,長さ3~10cm,両端はとがり,ふちには鈍鋸歯があるが老木では全くなくなり,表面に光沢があり,中肋と細脈は両面に突出する。花は両性,腋生(えきせい)の総状花序につき,径6mmくらい。萼片花弁は5~6枚で淡黄色。おしべは多数。果実は球形の液果,径8mmくらい,緑色に熟し,中に4~5個の小さい種子を有する。南西諸島(沖縄,慶良間,大東,石垣,西表など)から,台湾,フィリピンに分布する。材は堅く加工困難で薪材とするほか,台湾南部では鍬の柄に用いる。また庭木として植栽することがある。

 トゲイヌツゲ属Scolopiaは,アフリカ,ヒマラヤ,マレーシアに分布し,いずれも大木にはならないが,硬質の材木を産する。果実が食用にされるものもあるが栽培されてはいない。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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