トロブリアンド諸島民(読み)トロブリアンドしょとうみん(英語表記)Trobriander

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「トロブリアンド諸島民」の意味・わかりやすい解説

トロブリアンド諸島民
トロブリアンドしょとうみん
Trobriander

パプアニューギニアトロブリアンド諸島の住民。言語はオーストロネシア語族メラネシア語派に属する。ヤムイモ,タロイモ,サトウキビなどの焼畑耕作を行なう。比較的平等な社会の多いメラネシアにあっては珍しく首長制が存在し,母系を通じて地位が継承される。社会はトーテム氏族に分かれる。村はヤムイモの貯蔵小屋と首長の家を中心にしてそのまわりに円形に単位家族の住居が立ち並ぶ。村はまた主たる社会的単位であり,その構成員は協同して畑をつくり,儀礼を行ない交易の遠征に出かける。周囲に住むいくつかの民族間で行なう交易システムであるクラは,ブロニスロー・カスパー・マリノフスキーの『西太平洋の遠洋航海者』 Argonauts of the Western Pacific (1922) に記述され有名になった。そこでは赤い貝の首飾りと白い貝の腕輪が交易の媒介品となっており,交易相手である島々の間を前者右回りに,後者は左回りに大きなくり舟で回る。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

関連語をあわせて調べる

今日のキーワード

お手玉

世界各地で古くから行われている遊戯の一つ。日本では,小豆,米,じゅず玉などを小袋に詰め,5~7個の袋を組として,これらを連続して空中に投げ上げ,落さないように両手または片手で取りさばき,投げ玉の数や継...

お手玉の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android