トロードス地方の壁画教会群(読み)トロードスちほうのへきがきょうかいぐん

世界遺産詳解 の解説

トロードスちほうのへきがきょうかいぐん【トロードス地方の壁画教会群】

1985年に登録、2001年に登録内容が変更されたキプロスの世界遺産(文化遺産)で、地中海のキプロス島中部、トロードス山脈南麓に位置する。この一帯は、10世紀に十字軍による聖地(エルサレム)回復運動の本拠地となったところである。また、キプロスは、東ローマ(ビザンチン)帝国(395~1453年)の勢力下にあったため、同帝国が国教としたギリシア正教が普及し、トロードス地方には11~16世紀にギリシア正教の聖堂修道院が建設された。世界遺産として登録されたのは、これらのうち、聖ニコラオス聖堂、聖イラクリディオス聖堂、パナイア・トゥ・ムトゥラ聖堂、アシノウ聖堂など10の積み石造り・木造の聖堂である。これらの聖堂の天井や壁面には、ビザンチン様式フレスコ画イコン(聖画像)が残されている。◇英名はPainted Churches in the Troodos Region。トロードスはトロエドスともいう。

出典 講談社世界遺産詳解について 情報

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