トーメン

百科事典マイペディア 「トーメン」の意味・わかりやすい解説

トーメン[株]【トーメン】

UFJ銀行系の総合商社。1920年三井物産の棉花部を分離し,東洋棉花を設立。その意図は,紡績会社の国際的飛躍に伴う棉花・綿糸布の取扱高の増大と,高い相場リスクからの遮断等と言われている。棉花買付けのため多くの海外拠点を設けるが,1945年の財閥解体政策によりすべて喪失。戦後はまず,海外拠点の再構築に注力する一方,プラント事業,工作機械,金属,化学品などに重点を移し,繊維専門商社からの脱皮を図った。米国,アジアなどで発電事業に参入するなど重化学工業化を推進し,総合商社化を果たした。1970年に現社名に改称。バブル経済崩壊後の1990年代以降は,発電事業,ケーブルテレビ,リサイクル事業などに力を注いでいる。UFJ銀行などから2度の債務免除。トヨタグループから追加支援を受ける。2006年4月,豊田通商と経営統合した。なお統合比率は豊田通商1対トーメン0.069であり,実質的には吸収合併された形となった(存続会社は豊田通商)。
→関連項目総合商社

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「トーメン」の意味・わかりやすい解説

トーメン

総合商社。1920年三井物産棉花部(→綿花)を継承して東洋棉花を設立,1930年代には日本の綿花輸入の 20%を占めた。第2次世界大戦後は繊維以外の各種製品の取り扱いを強化するとともに,1955年鐘淵商事,1956年本町土地建物,1961年太洋物産,1963年南海興業を合併して大手総合商社に発展した。1970年社名をトーメンに変更。2000年豊田通商資本業務提携ののち,2006年合併した。

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