ドタール(その他表記)dotār[ペルシア]

デジタル大辞泉 「ドタール」の意味・読み・例文・類語

ドタール(dotār/dutār)

《「ドゥタール」とも》中央アジアイランアフガニスタンなどに分布するロングリュート撥弦はつげん楽器。可動フレットを有し、通常2弦。

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改訂新版 世界大百科事典 「ドタール」の意味・わかりやすい解説

ドタール
dotār[ペルシア]

西アジアと中央アジアで広く用いられている弦楽器の一種で,長い棹をもち細長い共鳴胴をもつリュート。ドタールとはペルシア語で〈2弦〉を意味し,元来2本の絹弦が張られていた(トルクメニスタンウズベキスタンのドタールなど)が,今日ではアフガニスタンの一部を除いて金属弦に取り替えられている。共鳴胴は洋梨を半分に割った形の木製(一木をくりぬいたものや寄木作りのもの)で,腹面には薄い板が張られている。細長い棒状の棹には羊腸弦を巻きつけた可動フレットがあり,旋法によってこれを上下に動かして微妙な音律を整える。糸蔵はなく,木製の糸巻は棹の頭部の前面と左側面の2方向からじかに差し込まれているのが特徴。なおセタール(3弦),チャールタール(4弦),タンブールサーズ,ドンブラなどは同族の楽器であるが,弦の数その他が微妙に異なる。一般に伝統的な民謡民俗舞踊伴奏に用いられる。
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