西アジアと中央アジアで広く用いられている弦楽器の一種で,長い棹をもち細長い共鳴胴をもつリュート。ドタールとはペルシア語で〈2弦〉を意味し,元来2本の絹弦が張られていた(トルクメニスタンやウズベキスタンのドタールなど)が,今日ではアフガニスタンの一部を除いて金属弦に取り替えられている。共鳴胴は洋梨を半分に割った形の木製(一木をくりぬいたものや寄木作りのもの)で,腹面には薄い板が張られている。細長い棒状の棹には羊腸弦を巻きつけた可動フレットがあり,旋法によってこれを上下に動かして微妙な音律を整える。糸蔵はなく,木製の糸巻は棹の頭部の前面と左側面の2方向からじかに差し込まれているのが特徴。なおセタール(3弦),チャールタール(4弦),タンブール,サーズ,ドンブラなどは同族の楽器であるが,弦の数その他が微妙に異なる。一般に伝統的な民謡や民俗舞踊の伴奏に用いられる。
執筆者:柘植 元一
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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