日本大百科全書(ニッポニカ) 「ナルトミカン」の意味・わかりやすい解説
ナルトミカン
なるとみかん / 鳴門蜜柑
[学] Citrus medioglobosa Tanaka
ミカン科(APG分類:ミカン科)の常緑低高木。およそ250年前淡路島で実生(みしょう)から得られたという。耐寒性が温州(うんしゅう)ミカンより弱く、冬季温暖で土壌の深い所を好む。果実は球形から短卵球形で250~300グラム、3~6月に熟す。果面は橙黄(とうこう)色で凹凸があり、果皮は厚さ6~8ミリメートルで質はもろく、皮はややむきにくい。袋の数は10~12、果肉は柔らかく多汁で甘いが酸味も強く、わずかに苦味がある。種子数は多く30粒前後で、単胚(はい)である。
[飯塚宗夫 2020年10月16日]