1983年に登録されたフランスの世界遺産(文化遺産)で、同国北東部のロレーヌ地方にある都市広場。ナンシーは12世紀からロレーヌ公国の首都として栄えたが、18世紀半ば、ポーランド王の座を追われロレーヌ公となったスタニスラス・レシチニスキーの命によって都市改造が行われた。計画は、500mほど離れていた新市街と旧市街を3つの広場で結ぶというもので、建築家のエマニュエル・エレと金具工芸師のジャン・ラムールが工事にあたり、進行中だったパリの都市計画にも影響を与えた。長辺124m、短辺106mのスタニスラス広場に面するのがバロック様式の市庁舎や劇場、東側のアリアンス広場には、ローマのナヴォーナ広場にあるバロック様式の噴水から着想した噴水が設けられている。中世に槍の試合が行われた敷地に造られた、カリエール広場周辺にもバロック様式の建物が並ぶなど、これらの理想的な都市景観が評価され、世界遺産に登録された。◇英名はPlace Stanislas, Place de la Carrière and Place d'Alliance in Nancy