エマニュエル(読み)えまにゅえる(英語表記)Pierre Emmanuel

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「エマニュエル」の意味・わかりやすい解説

エマニュエル
Emmanuel, Pierre

[生]1916.5.3. バスピレネー,ガン
[没]1984.9.22. パリ
フランス詩人,評論家。本名 Noël Mathieu。広い視野と人間の根源的問題に対する深い洞察とにより,現代フランス詩壇で独自の地位を占めたカトリック詩人。現代の人間が直面しているあらゆる問題を全体的,統一的にとらえようと試みる野心的,予言者的詩人でもあった。その詩は,好んで定型詩で書かれている。 1968年アカデミー・フランセーズ会員。主著詩集オルフェの墓』 Le Tombeau d'Orphée (1941) ,『バベルBabel (52) ,『時代の傾斜』 Le Versant de l'âge (58) ,『新生』 La Nouvelle naissance (63) ,評論『詩・燃える理性』 Poésie,raison ardente (47) 。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「エマニュエル」の意味・わかりやすい解説

エマニュエル
えまにゅえる
Pierre Emmanuel
(1916―1984)

フランスの詩人。ジューブ、クローデルらの影響を受け、対独抵抗運動期の詩集『オルフェの墓』(1941)で一躍注目されたのち、格調高い叙事詩的作風を確立して戦後期を代表するカトリック詩人となる。ほかに『汝(なんじ)の守護者とともに戦う』(1942)、『ソドム』(1944)、『バベル』(1952)のほか、近作に『ソフィア』(1973)、『決闘』(1979)などがある。詩人論や自伝的作品などの著作もある。

[田中淳一]

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