ニトログリコール

化学辞典 第2版 「ニトログリコール」の解説

ニトログリコール
ニトログリコール
nitroglycol

1,2-ethanediyl dinitrate.C2H4N2O6(152.06).無水混酸中にエチレングリコールを注入して,ニトロ化すると得られる.無色の油状液体.融点-22.3 ℃,沸点105.5 ℃(2.5 kPa).1.4890.1.499.発火点257 ℃.水に難溶,ほとんどの有機溶剤に易溶.生成熱230 kJ mol-1,爆発熱6694 kJ kg-1 で,一般にニトログリセリンと混合してダイナマイトに用いられる.ニトログリセリンより揮発性で,その蒸気はきわめて有毒.[CAS 628-96-6]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

百科事典マイペディア 「ニトログリコール」の意味・わかりやすい解説

ニトログリコール

化学式はO2NOCH2CH2ONO2。無色油状液体。融点−22.8℃,沸点105.5℃(19mmHg)。水に難溶,アルコール,エーテルなどに可溶。ニトログリセリンに似た強力な爆発物ニトロセルロースのゼラチン化を促進し,また凝固点を下げるなどの目的で寒地用ダイナマイトの製造などに利用。エチレングリコールを濃硫酸と濃硝酸の混酸でニトロ化してつくる。中毒性が強い。
→関連項目火薬

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

世界大百科事典(旧版)内のニトログリコールの言及

【ダイナマイト】より

…75年にはニトログリセリンとニトロセルロースを混ぜてゲル状にしたブラスチングゼラチン(ゲルダイナマイトまたはニトロゲルとも呼ばれる)を発明,これはケイ藻土ダイナマイトより強力で,現在のダイナマイトの基本型となった。現在日本で用いられているダイナマイトは,〈ニトログリセリンまたはニトログリコール,あるいはこれらの混合物に窒素量12%程度のニトロセルロースを配合してできたニトロゲルを6%以上含むもの〉と定義されている。 アメリカでは,ニトログリセリンをゲル化せずに硝酸ナトリウムや木粉などの活性吸収剤に吸収させたストレートダイナマイトや,硝酸ナトリウムの代りに硝酸アンモニウムを用いたアンモニアダイナマイトなどの混合ダイナマイトも用いられている。…

【ニトログリセリン】より

…爆速には7500~8000m/sの高速爆速と1500~2000m/sの低速爆速がある。 現在ダイナマイト原料のニトログリセリンは,ニトログリコールとの混合物として用いられている。ニトログリコールは不凍剤および膠化促進剤として役立っているが,蒸気圧が高いために毒性が強い。…

※「ニトログリコール」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android