にらめっこ

改訂新版 世界大百科事典 「にらめっこ」の意味・わかりやすい解説

にらめっこ

向き合った2人が相手を笑わせようとさまざまな顔つきをする遊び。先に笑ったものが負けとなる。〈にらみくら〉〈にらめっくら〉,関西では〈にらみごく〉〈にらみこくら〉などともいい,古くは〈目くらべ〉といった。《平家物語》長門本には,夢に現れたしゃれこうべ平清盛が目くらべをするように互いににらみあった話があり,《名物六帖》では,中国に〈笑令〉〈無声楽〉という遊びがあり,笙(しよう),鼓,板などのまねを1人ずつして笑い出したものに罰を与えると説明している。素朴な遊びであるが,〈かんからかんのん〉〈ぶくの稽古〉〈顔わたし〉と多様化して酒席遊戯ともなっている。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のにらめっこの言及

【恥】より

…それゆえ,小状況と大状況を同時に意識するところから出てくる日本人の恥じらいにも注目する必要がある。柳田国男によれば,〈にらめっこ〉は日本人が恥じらいを克服するために考案した独特の遊びであるという。この説が正しいとすれば,恥じらいは,日本の民俗社会において古くから広がっていた行動様式であるといわなければならない。…

※「にらめっこ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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